住民の苦情からリスクを発見!…米国ニューヨーク州ラブ・カナルの例
ラブ・カナルは、ニューヨーク州のナイアガラ滝の近くにある町です。ここには化学物質の廃棄場が造られ,
1940年代から2万トン以上の化学物質が廃棄・埋め立てられました。1953年に埋立地は閉鎖されましたが,60年代ごろになると,
住民たちから悪臭や化学物質の残留物が地下室や芝生に漏れ出ているとの苦情が寄せられるようになりました。
また,住民たちは、廃棄場近くで育った子どもの体格が普通より小さいことに気づきました。
流産や奇形児,呼吸器系疾患,ガンが増加し,70年代には慢性的な頭痛など健康問題を訴える住民が増加しました。
政府も化学会社も「健康に対する重大な影響はない」と断言していましたが、その後ニューヨーク州が行った調査により、
地下水や土壌が高濃度の化学物質によって汚染され,周辺地域では奇形児や流産の件数が高いことが明らかになり,
ついにカーター大統領は非常事態宣言を行って200世帯以上の移転を行いました。
80年には住民の染色体損傷の事実が発見され,ラブ・カナル地域の住民900名全員が移転せざるをえなくなりました。
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