あなたのコミュニケーション活動を評価し、改善策を考えましょう
リスク・コミュニケーションの評価によって、あなたの努力がいかに効果的であったかを明確にしたり、次の活動をよりよくすることができます。
評価にあたっては、成功の意味、評価の項目、評価の手法を考える必要があります。
評価をする場合、最も問題になるのは、何をもってしてリスク・コミュニケーションが成功したと考えるかという、成功の定義です。
これはリスク・コミュニケーションの目的が何かに依存します。
どんな項目を評価するかを、成功の定義に従って検討します。
基本的な項目としては次のようなものがあります。
- 受け手は話の内容をよく理解したか
- 受け手はメッセージに含まれた提案や考え方を納得したか
- より高いリスクに直面している人々の方が、より低いリスクに晒されている人々よりも行動を起こしやすかったか
- 同じリスクに直面している人々は同じように反応したか
- 受け手はメッセージを有用で正確で明確だと考えたか
その他の項目としては、
- 利用可能な資金や資源の範囲内で目的を達したか
- 資金やスタッフを増加させるような重大な変更はなかったか
- 生産(事業活動)を遅らせるようなことはなかったか
- 組織への敵意は弱まったか
- リスクに関連した選挙にどう影響したか
- 予想された事態に対して十分計画をたてていたか
- 相互の信頼はどう変わったか
などを状況に応じて成功を判断する要因と考えるとよいでしょう。
どのような評価を行うかは、評価の目的、評価者の選択、時期、評価者の訓練と監視、
受け手の関与の程度、評価の範囲、成功の指標によって異なります。
また、評価手法についてはまだ研究の蓄積が十分ではありません。ここでは、目的によって必ず検討すべき評価項目は何かをアドバイスします。
【評価の目的別】
現在のRCを見直すため
- 次のRCの実施までの時間制約があるため、限られた時間でできる方法を探します。
- 受け手の中のモニターを使うか、外部の専門家に協力してもらいます。
- 経営的視点での評価は部長などあなたの上司にしてもらうとよいでしょう。
将来のRCに役立てるため
- 比較的時間的な余裕があるため、できるだけ広範囲の評価をすることができます。
- 受け手のすべて(のタイプ)に評価をたずねる方法も予算さえあれば実施可能です。
- 外部の専門家に個々の活動ではなく全体のコミュニケーションを評価してもらい、改善策について提案してもらいましょう。
- より経営効率的に実施する方法を考えるために、経営面での数値を評価データに加えましょう。
経営者に成果を示すため
- 定性的なデータよりも定量的なデータをたくさん用意しましょう。
- 経営資源の使用状況を必ず加えましょう。
- 最初の目的で数値目標を設定していれば、それを使って達成度を指標化しましょう。
- 経営者は忙しいので、全体がわかる資料を用意することが重要です。
規制当局への対応のため
- 法規制に適合しているかどうかを必ず加えましょう。
- RCの前と後で、人々の直面するリスクがどのくらい減ったか、あるいは規制値が遵守されているかどうかを評価項目に加えましょう。
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