事例別対応チェックリスト工場火災・爆発事故が発生した時
を迅速に行うことが必要です。発生から2時間以内に緊急記者会見を開き、十分な情報を提供することがクライシス回避を可能にします。 1 早急に把握すべき事故内容と状況とは何か
□ 火災(爆発)発生の時刻はいつか(何時何分ごろ)
□ 発生場所はどこか(○○工場△△部門) □ どういう状況で発生したのか □ 何らかの兆候はなかったのか □ 想定される原因は何か □ 鎮火はしたのか □ 現在の状況はどうなっているのか □ 消防と警察対応は誰が担当しているのか □ 死傷者はいるのか □ 死亡者の氏名、性別、年齢、所属名、収容先は? □ 負傷者の氏名、性別、年齢、所属名、ケガの具合、入院先は? □ 死傷者の家族には連絡がとれたか □ 地域住民に被害は及んでいないか □ マスコミからの取材状況はどうか 2 早急に準備すべき資料は整えたか
□ 正式な工場の名称、住所
□ 工場長の名前 □ 従業員の人数(正社員、パートタイマー) □ 生産品 □ 劇物、毒物の使用の有無 □ 火災による有毒ガス、有毒物質の発生の可能性の有無 □ 定期点検体制に関するデータ □ 自衛消防隊の有無と訓練内容 □ 防火訓練の有無 3 現場で想定されるクライシス局面はどんなことか
<対マスコミ対応上の問題>
□ 工場側が事実確認できないうちに、地元マスコミから工場(さらには本社)に 電話取材が殺到する恐れはないか □ 現場に記者が踏み込む恐れはないか □ 現場に記者、カメラマンが先着し、現地での工場側の対応が間に合わない 恐れはないか(119番通報を同時キャッチ、救急車、消防車と同時到着) □ 撮影場所をめぐって、カメラマンとのトラブルが発生する恐れはないか □ 現場への立入取材をめぐって、現場責任者や当局とトラブルが発生する 恐れはないか(二次災害の防止) □ 記者から求められる資料、質問(工場に関する資料、被害者に関する資料など) に関する準備の遅れに対するクレームの恐れはないか □ 記者会見の時間の是非をめぐってトラブルが発生する恐れはないか □ 速報重視の夜のテレビニュースで未確認情報や誤報が流れる恐れはないか □ 地域住民や関係者からの話をもとにした伝聞情報や事実誤認情報が流れる 恐れはないか(情報管理の不徹底) <対地域社会(住民)対応上の問題> 下のような 住民からの不安に対応できるか? □ 災害拡大に対する不安 □ 二次災害に対する不安 □ 類似災害に対する不安 □ 健康被害に対する不安 □ 環境汚染に対する不安 □ 補償問題に対する不安 □ 風説、噂に対する不安 これらの不安の多くは、情報が不足することで起こりやすくなります。できるだけ早く、わかっていることを伝えることが重要です。 4 マスコミからの想定質問と回答は準備したか
(想定質問の例)
□ 原因は何か □ 人為的ミスではないのか □ 操作マニュアルはあったのか □ その時、誰が仕事に携わっていたのか □ 予防等が不十分だったのではないのか □ 定期点検はいつだったのか □ 施設の老朽化があったのではないか □ 異常な兆候はなかったのか □ なぜ初期消火ができなかったのか □ 自衛消防隊の体制はどうなっているのか □ 消火設備(スプリンクラー等)は正しく作動したか □ 有害物質が発生する恐れはないのか □ 再発防止等についてどう考えているか □ 回復の目処はいつか □ 出荷停止による影響はどうか 5 緊急記者会見の準備はできたか
□ スポークスマンは決まったか(工場長プラスα)
□ 2時間以内に記者会見は開けるか □ 上記4のQ&Aは準備できたか □ 記者会見時のステートメントはできたか 6 どんな場合に緊急記者会見が必要か
□ 第三者に死傷者を出した場合 <謝罪と責任を表明する>
□ 工場の火災・爆発・環境汚染 <近隣・当局に対する責任を果たす> □ 欠陥商品の市場流出 <回収の責任を果たす> □ 違法行為(談合、脱税、粉飾決算、インサイダー取引など) <謝罪と再発防止への対応を伝える> □ 国際的または社会的関心の高い訴訟 <企業としての正当性を訴える> □ 国際的または社会的関心の高い事件・事故・不祥事 <企業の社会的責任を表明する> □ マスコミから集中して取材申し込みがあった場合 <情報の統一化を図る> 7 緊急記者会見の時間はいつか
□ 新聞の締め切り時間を考慮して、一般的には次の時間帯で行う
午前中に事故が発生した場合:午前10時〜午前11時 午後に事故が発生した場合: 午後2時〜午後5時 8 お詫び広告の文案は用意しているか
□ 事故の2〜3日以内に謹告を出す手配をしているか
□ お詫びの広告文案は用意しているか |
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