情報の伝え方を考えましょう

情報を伝える方法(メディア)には、次のようなものがあります。

1 文書(紙媒体):

紙などに書かれたメッセージ(絵やグラフを含む)

2 話し言葉

言葉によって伝えられるメッセージ(会話や講義を含む)

3 視覚的メッセージ

TVやビデオ、ポスターなど画像を中心としたもの

4 受け手との相互関係

議論や公聴会など直接的やりとりを中心としたもの

5 コンピュータ利用(電子媒体



メディアには、それぞれ一長一短があります。リスク・コミュニケーションの目的と受け手の特徴に応じた適切なメディアを選ぶようにしましょう。 また、複数のメディアを組み合わせること(メディア・ミックス)も重要です。具体的なメッセージ作成の留意点は、各メディアの項目を参照してください。


紙媒体(ニュースレター、パンフレット、新聞記事、技術レポートなど)


 (→メディア別チェックポイント1
  • 比較的安く、大量に作成することができ、詳しい情報を伝えることができます。
  • より多くの、多様な人々に、経済的に伝えることができます。
  • 関心を高めたいときや読解力に差がありすぎるときには向きません。
  • 比較的単純なメッセージを早く多くの人々に伝えたいときには新聞が有効です。
  • 正しくリスクや技術を伝えるには相手が十分な知識を持っている必要があります。
  • 専門家と同レベルの知識を理解させようと考えないこと!が重要です。
  • 人々の意思決定に必要な情報だけを伝えましょう。


話し言葉(医者と患者との会話、会合での報告、講演会など)


 (→メディア別チェックポイント2
  • コミュニケーターや組織が信頼されているときには非常に有効な方法です。
  • 受け手からのフィードバックをすぐに得ることができるため、受け手ニーズに見合うようにコミュニケーションを改良していくことができます。
  • コミュニケーターや組織が信頼されていないときには不適切です。
  • 一度に多くの人々に伝えることは難しいでしょう。
  • 受け手を限定し、フィードバックを重視するなら最適な方法です。
  • 敵意をもたれていたり、長期にわたる情報提供には不適です。
  • 記者発表やラジオのアナウンスによって多くの人々に早く伝えることができます。長期にわたる場合はメッセージの更新に留意し、多様な説明を用意しましょう。
  • 専門家がいつも最低なコミュニケーターとは限りません。(逆の場合の方が多い)。いかに受け手から信頼されるか、信頼される伝え方の工夫が必要になります。


視覚的なメッセージ(ポスター、(チラシ)広告、ツアー、ビデオ、TVなど)


 (→メディア別チェックポイント3
  • 単純なメッセージを印象づけることができます。
  • 受け手の理解力に差がある場合でも有効です。
  • 伝えられる情報は限られており、複雑なメッセージは送れません。
  • 関心を高めたいときには最適な方法です。
  • しっかりと理解してもらいたいときには適していません。
  • メッセージの作成に時間と費用がかかります。
  • 工夫すれば、複雑な技術を理解してもらうのに有効な場合もあります。


受け手との相互関係(市民アドバイザリー委員会、モニター、公聴会など)


 (→メディア別チェックポイント4
  • 受け手がリスクやその管理、合意すべき事柄についてかなり正確に理解することができます。
  • リスクに関わる決定事項に受け手を関与させたいときには最適な方法です。
  • 組織側が受け手の考えを聞いたり、取り入れたりする気がないのなら適していません。
  • 受け手とのやり取りには時間と人手がかかります。
  • 組織や専門家はあまり一般人を意思決定に関与させたがらないため、協力を得られないかもしれません。
  • 関与させることが効果的であるとの絶対的な証拠もありません。


電子媒体(インターネットなど)


 (→メディア別チェックポイント5
  • 膨大な量の情報を伝達できます。
  • 受け手に応じた情報を用意することができ、さらにそれらの情報を容易く更新できます。
  • あらゆる情報を開示して、受け手自身がリスクについて考える能力を養うことを目的とするなら最適な方法です。
  • ただし、コンピュータ情報を活用できる人は現時点では限られています。
  • 情報を最初に作成するのに、時間と費用がかかります。
  • あなた自身やあなたの組織は、リスクについてだけでなく、コンピュータに関する知識や技術をもつことが必要です。


 この他にもたくさんの情報の伝え方やコミュニケーション手法があります。 コミュニケーション活動の実践者による国際的な団体が紹介している手法のリストも参考にしてみてください。
(→ IAP2手法リスト)




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