聴衆:コミュニティの場合
地域住民とのコミュニケーションでは、それまであなたの組織が住民とどのような関係を築いてきたかが試されます。
信頼関係があれば、リスクにさらされていることを知らされても住民はあなたの話を信用してくれるでしょう。
信頼関係がなければ、あなたは住民の怒りと敵意に直面しなければなりません。
あなたの提供する情報はほとんど信用されず、耳も傾けてもらえないかもしれません。
ここでのチェックポイントは、あなたの助けになると思いますが、よりよい対策は、今すぐに効果的な地域交流プログラムを行うことです。
これは、地元の団体やイベントへの寄付以上の内容でなければなりません。リスクに対処するために地元団体を巻き込んだ防災訓練を計画するのもよいでしょう。
事前
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住民を正当なパートナーとして考えていますか?
- 意思決定する過程において地元をできるだけ早い時期からなるべく広範囲に巻き込みましょう。ただし、住民にどこまでの権限を与えるかを決めておくことが重要です。
- 初めから住民参加に対する目標を作り、住民から寄せられた情報がどのように使われていくかをはっきり示しましょう。
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住民にとって意味のある参加計画をたてていますか?
住民が何も変えられないような事柄について意見を聞くのは、逆に不信感を招きます。
- リスクの情報をできるだけ多く住民に提供できるような手段を考えていますか?
- 地域団体に対応する担当者にリスクコミュニケーションの戦略と技法について訓練を行っていますか?
- 様々な受け手がいることを知って、対応を考えていますか?
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受け手のニーズと関心事を調べていますか?
- 地域から信頼されていますか? 信頼がなければ、そのことや過去の失敗を認めましょう。そして、状況を改善するためには何をしたらよいかをたずねましょう。
- 住民に情報を提供する方法(ホットライン、地域に密着したプロジェクト、勤務時間外のもの)をいくつも考えていますか?
- 労働組合や地方の利益団体といった第三者集団と連携できていますか?
- 様々な公開情報をわかりやすく解説した資料を提供しましょう。
- リスクの考え方や多様なリスクについて住民の理解を高める教育プログラムを考えましょう。
- 環境団体や市民団体から発信された情報についても住民に伝え、あなたの組織の公正な態度を示しましょう。
直前
- あなたが企業に所属しているなら、自治体への情報提供を欠かさないようにしましょう。また、自治体担当者に、公聴会や説明会などで質疑応答に参加してもらいましょう。
期間中
- 数値の説明に入る前にリスク評価についての説明をしましょう。
- リスク評価の限界について説明しましょう。
- 不確実な点や長所・短所について率直に伝え、話し合いましょう。
- 発表内容を相手に合わせて調整しましょう。
会場についてみたら、予想していた人々とは異なる人が多いかもしれません。臨機応変に対応できるようにしましょう。
- 相手が何かの問題を提起した時に、その問題点について話すようにしましょう。
相手が提起する前から問題点が何かわかっているつもりにならない。
- 賛否両論が公正かつ正確に述べられているバランスのとれた資料を提供しましょう。
- 感情的にならず、常に理性ある行動をしましょう。
- 日常使う言葉で話しましょう。専門用語や略称は使わないようにしましょう。
- 実際の数値の入ったデータシートに解説を加えながら情報提供しましょう。
- 選択肢を示しましょう。
- 社会的影響および個人の決定に関連する影響に関する情報を提供しましょう。
- リスクを軽減するために住民が取ることのできる行動について具体的な情報を提供しましょう。
- 住民の疑問を追いかけ続け、住民の関心や懸念を理解する努力をしましょう。
《特にリスクの表現方法についての留意点》
- 複数のリスク指標を使い、いろいろな方法でリスクを表現しましょう。
- リスク評価で用いた仮定や不確実性を明確に公表し説明しましょう。
- 確実にいえない結果については断定的な表現をしないように注意しましょう。
- リスクを比較する時には、リスクを小さくみせようとしてはいけません。特に、喫煙や自動車の運転のような自発的なリスクと今あなたの組織が引き起こしているような非自発的なリスクを比較してはいけません。
- 何がわかっていて何がわかっていないかを率直に話しましょう。
- データを金科玉条のように振りかざさないようにしましょう。
人は統計値によって心を動かされません。数値だけを大袈裟に強調すれば、あなたは無神経だと思われてしまいます。どんなに小さなリスクであろうと、あなたの前にいる人々は、自らの責任のないリスクにさらされているという事実を忘れないようにしましょう。
- わかりやすい説明は重要ですが、話を簡略化しすぎないことも重要です。特に、あなたの主張点を、それを証明する情報だけで示さないようにしましょう。人々は、あなたを「都合のよいことしか言わない」と受け取ってしまいます。
- あなたの組織の責任を示すことに専念しましょう。
住民のリスクの深刻さを評価してはいけません。それは住民が決めることです。
- 住民にとって便益があるからといって、多少のリスクは受け入れるべきだと主張してはいけません。
- 経済的なメリットを示す時、死や傷害を金銭的価値に換算しないようにしましょう。
事後
- コミュニケーションの成功は容易いことではありません。問題は失敗することではなく、失敗を繰り返すことです。失敗を繰り返さないためにやり方を改善していくようにしましょう。
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