緊急時対応のチェックポイント
緊急事態や大惨事にどう対応するかは、組織の信頼を左右する、あるいは組織の存続さえも左右する重要な問題です。
しかし、多くの組織にとって、緊急事態の対応はできれば考えたくないことでもあります。
あなたには2つの選択肢があります。考えたくないリスクに目をつぶって緊急事態が起こらないように神仏に祈り続けるか、
リスクを直視し、緊急時対応計画をたて、万が一の事態に備えるかです。
緊急時対応計画をたてるなら、情報提供や外部へのコミュニケーションが、
住民の不安感や社会からの批判にどのような効果をもつかに注目しましょう。
スリーマイル島の事故や雪印乳業食中毒事件は、私たちが決して繰り返したくはない例です。
経営層によるRC事例やクライシス・コミュニケーションが緊急時の情報提供の役割を理解する助けになるでしょう。
緊急時情報計画をたてましょう。外部と内部向けのコミュニケーション担当者を指名しましょう。
そして、少なくとも年に一度は訓練を行い、常に改善をしていきましょう。
事前
- 緊急時のコミュニケーション計画を充分に練り上げていますか?
- 緊急時のコミュニケーション計画がうまく機能するかテストしていますか?
- 緊急事態にコミュニケーションがうまくいかなかった時に備えて代替手段を考えていますか?
- 地域防災組織(警察や消防、病院、行政など)と連携できていますか?
- 日頃から緊急時対応の訓練をしていますか? その中で情報提供の訓練をやっていますか?
- 緊急事態で情報を提供しなければならない人(特に行政、メディア、地元団体)と定期的に連絡を取り合っていますか?
-
緊急事態に広報を担当することになる適切な人材を選んでいますか?
- あなたとあなたの組織は不信感に満ちた状況に置かれることを認識しましょう。
期間中
- 発表内容を相手に合わせて調整しましょう。
- 相手が何かの問題を提起した時に、その問題点について話すようにしましょう。
相手が提起する前から問題点が何かわかっているつもりにならない。
- 必ず緊急時対応計画に従いましょう。もし計画から外れた対応をする時には正当な理由がなければなりません。
- できるだけ早く情報を提供しましょう。
- 住民に報告し続けましょう。
- 情報を求めてかかってくる電話の洪水に対応する体制を整えましょう。
- 政府関係機関と協力し、そのことを強調しましょう。
- 事態収拾に向けて「今何をしているか」を強調しましょう。
- 話せないことがあればその理由をきちんと話しましょう。ノーコメントは全く役に立ちません。「何かを隠している」と思われてしまうだけです。
- 緊急時の対応で優れた成果をあげた職員のことを認め、労をねぎらいましょう。
- 組織の職員が不安にならないように配慮し、常に最新の状況を職員に知らせましょう。
事後
- コミュニケーション活動が効果的であったかどうかを評価しましょう。
- 再発の可能性を最小限に抑えるため、あなたの組織が行った行動の情報を公開しましょう。
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